SSブログ

「落葉松」 北原白秋 [Shiika]

大正10年、「水墨集」所収。軽井沢の星野温泉入口に文学碑があるそうです。
四行 x 八節のうち、少しだけ引用します。

 
 からまつの林を過ぎて、
 
 からまつをしみじみと見き。
 
 からまつはさびしかりけり。
 
 たびゆくはさびしかりけり。


なぜか、秋になるとこの一節を思い出すのです。

二節目はこんなふうに続きます。


 からまつの林を出でて、
 
 からまつの林に入りぬ。
 
 からまつの林に入りて、
 
 また細く道はつづけり。


そして、五節目の静かなアクセント。


 からまつの林を過ぎて、
 
 ゆゑしらず歩みひそめつ。
 
 からまつはさびしかりけり、
 
 からまつとささやきにけり。


朗々と吟じる詩もいいですが、こんなふうにそっと呟くような詩には、やっぱり秋が似合うような気がします。

原文は四行 x 八節、三十二行。ネットでも簡単に見つかります。

タグ:現代詩 詩人
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。