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「桜田門外ノ変」 吉村昭 [Book]

茨城県には伝説が二つあります。

江戸時代初期、佐竹氏が秋田に転封されるときに、きれいな人をみんな秋田に連れて行ってしまった。茨城県(常陸の国)に美人が少ないのはそのせいだ、というもの。
(だから秋田美人はもともと茨城の・・・というオチです)

もう一つは、まじめな話で、
維新のさきがけとして活躍した人物を何人も輩出したのに、最後は薩摩と長州にすべて持っていかれてしまった。
それは、幕末の早い時期に暴発しすぎて優秀な人間がみんな死んでしまったからだ、というもの。

司馬遼太郎氏もどっかで書いてましたが、これはかなり本当のことだと思います。

その最初の大暴発が桜田門外の変でした。
この作品、「桜田門外ノ変」は、水戸藩側から見た、有名なわりに詳しくは知られていない、幕末の大事件を描いています。

襲撃計画から実行の場面は、現代のテロの現場を目前にしているような迫力。

襲撃後の水戸藩士たちの逃避行の部分は、「彦九郎山河」、「長英逃亡」のような感じで、作者得意の描写が淡々と丹念に続きます。

水戸藩士の最後の暴発となった天狗党の乱については、「天狗騒乱」があります。
これもまたすごい作品なので、そのうち紹介するかもしれませんが、併せてお薦めです。
ところで、この稿を書くためにネットを見ていて、この作品の映画化の計画があるのを知りました。

水戸藩開藩四百年記念『桜田門外ノ変』映画化支援の会。
茨城県知事や国会議員が名前を連ねている団体で、つまり、茨城県の官公庁が前面・全面バックアップの企画のようです。

2009年の春から撮影開始、2010年ごろ公開予定とのこと。脚本は「陰陽師」の江良至。
あまり安っぽいキャスティングにならなければ、観てみたいです。

でも、時の政府の要人を白昼堂々と暗殺する事件って、PTA推薦映画にできる話!??・・・そこだけちょっと心配になりました。R15にすればいいのかな。
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